住まい全体の外構計画に、和の落ち着きをほどよく織り込んだお庭です。
横板フェンスで視線をやわらかく受け止め、駐車・アプローチ・庭のゾーンを整然と配置。
芝と化粧砂利、石材のラインで地面の表情にメリハリを出し、建物の濃色外壁と美しい対比を生みました。
お施主様からは「ウッドデッキから庭を眺めるのが毎日の楽しみなんです」とうれしいお言葉。
座るたびにほっとできる“定位置の眺め”になっているそうです。
暮らしを導くレイアウトと目隠し計画
道路側は横板フェンスと化粧ブロックで高さを整え、境界の線を美しく整理しました。
敷地内は、車の出入り・玄関への動線・庭の滞在エリアを緩やかに分節。
一直線にせず、少し角度をつけた小径や石の見切りで、歩くたびに景色が切り替わります。
石と雑木でつくる“和”の穏やかさ
庭の芯には景石と延べ段風の石を据え、株立ちの雑木や低木を合わせて高さのリズムを構成。
足元はマルチングや割栗石で落ち着かせ、根元まで景色が途切れません。
自然石のくぼみは手水鉢のように水をたたえ、光や影を映して四季の移ろいを映し出します。
砂利の明るさ、石の質感、木肌の色――素朴な素材同士が響き合い、和庭らしい静けさを日常の背景に広げてくれます。
ウッドデッキがかなえる“毎日の眺め”
室内の延長としてのウッドデッキは、この庭の特等席。
腰掛けると、手前の植栽→石のライン→奥の芝生へと視線が心地よく抜け、一枚の絵のようにつながります。
朝はやわらかな光、昼は葉陰のゆらぎ、夕方は家族の時間――同じ場所でも時間帯で表情が変わるのが魅力です。
芝は遊べる余白として、砂利は景観を引き締める装置として機能し、季節の手入れや植栽の追加など“育てていく楽しみ”にも応えます。
これから歳月を重ねるほどに、住まいとともに味わいを深めていく庭です。